MRHE(鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症)
人間の血液というのは、一種の塩水でその中にはおおよそ0.9%の塩分が含まれています。
これが濃度としては、140mEq/l というナトリウムの濃度になります。
低ナトリウム血症というのは、水に対してのナトリウムの比率が異常に低下した状態のことです。
血液のナトリウムが異常に低下すると血液は薄くなり、細胞の中に水が引き込まれます。
この影響を一番受けるのは脳の細胞です。
血液のナトリウムが異常に低下すると脳の細胞が浮腫んで腫れ、それが軽いうちは頭痛や吐き気が起こります。
そして、更に進行すると脳の働きが落ちて意識障害が起こり、それが更に進めば死に至るのです。
低ナトリウム血症というものの怖さがちょっとお分かり頂けるかと思います。
通常こうしたことが起こらないのは、脳と腎臓から分泌されるホルモンの働きでナトリウムと水の量が調節されているからです。
この時に重要な働きをしているのがアルドステロンと呼ばれるホルモンです。
これを鉱質コルチコイドと言って皆さんお馴染みのステロイドの1つです。
このホルモンはナトリウムを身体の外に出し難くする働きをしています。
従って、このホルモンが出ると身体の塩分が増え、その結果として血圧は上がります。
一般に高血圧の患者さんではこのアルドステロンが高くなっていることがあります。
従って、アルドステロンを下げるような薬がその治療に使われます。
通常身体のホルモンの働きが正常な人であればこの治療に特に問題はありません。
ところが…ご高齢の方では、このアルドステロンに対して腎臓の反応が悪いことが往々にしてあることが知られています。
つまり、身体が塩分を蓄え難くなりナトリウム不足の状態になり易いのです。
この体質による血液のナトリウムの低下のことをMRHEと呼んでいます。
ご高齢の方でも勿論高血圧は存在します。
しかし、それは多くは塩分の多いためではなく血管が動脈硬化で硬くなり血圧の調節が難しくなったためなのです。
つまり、極めて単純化して言えば若い人の高血圧は、血液の量が多く塩分の多いことから起こるのに対して、ご高齢の方の高血圧は、血液の量は少なく塩分も少ないのですが血管が硬いために起こるのです。
引用元: MRHE(鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症)の話:六号通り診療所所長のブログ:So-netブログ.


